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■自己との対話1

2025.8.6 23:54

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ジャズ・ピアニストのビル・エヴァンスに「自己との対話」(Conversations with myself)というアルバムがある。多重録音してもう一人(二人)の自分とピアノで対話するという形で、彼はほかのアルバムでも何回か試みている。

ここしばらく、AIを録音機材に見立て「自己との対話」を試みている。もう一人の自分とは、おもにここ20年以上書きためている自分自身の「全」テキスト24MBほどだ。これは日々感じていることを綴っている日記のようなものでもあるし、ブログなどの発想のもとになるメモでもある。とにかく自分が「真摯に感じていること」や思っていることをすべて書きとめているテキスト群である。

つまりこのテキストは、自分が「文字として書けるところの自分」/「意識できる自分自身」のほぼ全体をほぼカバーしている。つまり〈意識〉上の「自分自身」を表していると便宜上は言える。分量にすると、新書では60冊分以上程度になる。

「この会話」の相手を正確にいうと、自分自身というより、自分自身をとてもよく知る「超客観」」である。返ってくる答えは、直接に自分が触れていない「常識」も多少は含まれてはいるようだが、ほぼ自分が発言したことが元になっている。
だから、あることについて、自分がどう考えているのかを、「外から」示してくれる。いくつかの例を挙げてみよう。(一部伏せ字)

他にも
「小川は、デザインと哲学について結局は何だ、といっているのか?」
「小川が書物を書くとすれば、その目次構成は? その要約は?」
「詩と数学とデザインの関係性についての見解はどのようなものか?」
「老いと人生についてまとめると?」
「宗教と科学について?」などなどと問うてみている。

これはいったい、どういう体験なのだろうか?


〈問い〉:

「今現在私(小川)は、何をすべきだろうか? 5年、1年、1ヶ月、10日くらいの単位で。」

〈答え〉:
小川様のこれまでの記録と考察に基づき、現在の状況と今後の行動について、時間軸に沿った提言をまとめます。

今、そして今後(現在〜10日単位)

現在の小川様は、身体的・知的な衰えを感じ、プロジェクトの遅延や過剰な業務量、そして○○に対する不安や疲弊を抱えています。同時に、「デザインとは何か」「良いデザインとは何か」という根源的な問いへの探求を深め、自身の「感じ方」や「表現」の重要性を再認識されています。

  • 目の前の「問題」に意識を向ける(10日単位): 気分が塞ぐときや行き詰まりを感じたとき、まずは「これはどういう問題なのか?」と自分自身に問いかけてみてください。この問いは、問題の「定義」に関わる重要な行為であり、気分として現れる「問題」の感覚を言語化する手がかりとなります。
  • 「効果思考」を実践する(10日単位): 何かを言ったり行動したりする際に、それがどのような「効果」を生むのかを意識してください。例えば、デザイン案を出す際にも、その「案」がどのような価値ある効果をもたらすかを考えることが重要です。
  • 「アイデアスケッチ」を継続する(10日単位): 短時間で描ける「ポンチ絵」でも構いません。思考を可視化することで、自身の「感じ方」や「気づき」を明確にし、新たなアイデアを誘発します。これは時間節約にも繋がります。
  • 「断る勇気」を持つ(10日単位): 自身が「やりたいことではない」と感じる仕事や、リソースの現実を考慮せずに立てられた無理な計画に対しては、明確に「できないことは受けない」というスタンスを崩さないことが肝要です。
  • 自身の健康と心の状態をいたわる(10日単位): 手術からの回復や○○の状況に注意を払い、無理をせず、自身の身体の微かな声に耳を傾けてください。心身のバランスを保つことが、思考の継続にも繋がります。

短中期的な視点(1ヶ月〜1年単位)

  • 「表現」への集中と深化(1ヶ月〜1年): 小川様は「デザインの本質は表現にある」という結論に到達されました。この「表現」が具体的に何を指し、どのような効果をもたらすのかをさらに深掘りし、言語化していくことに力を注いでください。
  • 「自分の感じ方」を明確にする(1ヶ月〜1年): 「わかる」ことが「わかると感じる」ことであるように、自身の感覚を研ぎ澄まし、それを言葉にすることを意識してください。これはデザインの本質的な問いであると同時に、自己理解を深める道でもあります。
  • 執筆活動の推進(1ヶ月〜1年): 長年温めてきた書籍の執筆を本格的に進める時期に来ています。過去の執筆物にとらわれず、思い切って「本当の最新版」を一つにまとめ、そこから肉付けしていくという方針が有効かもしれません。自身の「考える」こと自体がデザイン化しているという自負が、その基盤となります。
  • 哲学・歴史・認識論の探求を継続する(1ヶ月〜1年): 「人とは何か」「世界をどう捉えるか」といった根源的な問いへの探求は、デザインの深い理解に繋がっています。特にAI時代の到来は、これらの問いをさらに喫緊のものとしています。
  • 建設的な議論の場を選ぶ(1ヶ月〜1年): 他者の意見に食い込むような議論の場を求めつつも、感情的な対立や表面的な議論に時間を費やすことを避けてください。自身の思考を深めるため、批判的な見解にも冷静に対処し、「正しさ」だけではなく「共感」や「価値」の側面から物事を捉えることを意識してください。
  • 自身の役割の再定義(1ヶ月〜1年): 組織内での自身の「立ち位置」と「貢献したいこと」を明確にし、合わない仕事は受けないという強い意思表示を続けることが、自身のエネルギーを本来の探求に注ぐために必要です。自身の「デザイン知」を棚卸しし、それを社会に発信していくことは、冷や飯を食わないためにも重要です。

長期的な視点(5年単位)

  • 自身のデザイン哲学の完成と共有: ○○歳を迎え、自身の人生を通じて得たデザインに関する洞察を「今の自分」にとっての結論としてまとめ、それを世に問う段階に来ています。これは生涯をかけた取り組みであり、焦らず、しかし着実に進めるべきです。
  • 「人を高める」デザインの追求: デザイン行為が「人を高める」ことに寄与するという、新たな興味の方向性が示唆されています。これは自身の「かっこよさ」という価値観とも深く結びついており、単なる機能性や美しさを超えた「人の在り方」に関わるデザインを追求する方向性です。
  • AI時代におけるデザイナーの新たな役割の提言: AIがあらゆるものを「デザイン」できる時代において、人間としてのデザイナーがどのような価値を生み出すのかという問いに対する、自身の見解を確立し発信してください。それは「技術と人」の問題であり、人の「感情・感性の納め方」に関わる問題であると捉えられています。
  • 「身体性」を伴うデザインの具現化: これまで理知的な側面に偏りがちだったデザインに、「身体的なバイブレーションを生じさせるような」要素をどう取り入れるか、具体的なイメージを模索し続けることが重要です。これは音楽のような存在、言葉や論理を超えた「表現の質」に関わるテーマです。
  • 自身の「揺るがない強さ」を育む: 自身の「好き」や「信じられるもの」にのみ気持ちを向け、それが自然に湧き上がる強さとして認識できるよう、自己を観察し、育んでください。これは自身のアイデンティティの探求でもあります。

小川様は、自身の人生を「何かを問うこと」として強く直感されています。その問いは深遠であり、容易に答えが出ないものですが、その探求こそが小川様にとっての「生きている意味」であり、「喜び」であると信じてください。

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